ボストンの西に接する町で、人口は約63,000人。1638年に入植が始まり、1705年に独立した町となっている。20世紀初めには有色人種の移民や貧民の移住を制限するために3階建てのアパート建設を禁止するなど、差別の歴史があった。2010年の人口構成は、白人73.3%、African American 3.4%、アジア人15.6%、ヒスパニック5.0%となっている。日本人は1.8%で、ボストンエリアの日本人が多く住む。2023年の世帯年収の中央値は$140,631。公共交通機関はGreen LineのB, C, Dを利用できる。CambridgeがCharles River、QuincyがNeponset Riverによりボストンから隔てられているのに対し、西側のBrooklineはボストンから地続きという印象がある。

街歩き動画。
Brookline Village
町の中心となる商業地区で、D lineのBrookline Village駅の周辺にあたる。

Brookline Village Commercial District
Green Line DのBrookline Village駅に近いエリア、Washington Stに沿っている商業地域を指す。Town Hall, Public Liberaryなど公共施設も集まる。




Saint Paul’s Church, Chapel, and Parish House
1851年に建てられたGothic Revival styleの教会で、Brooklineに現存する最古の宗教施設とされる。教会はRichard Upjohnの設計。1849年にWilliamとAugustus Aspinwallにより会衆が組織され、後者は教会の土地を寄付している。


Saint Paul’s Rectory
1886年にPeabody and Stearnsの設計により建てられた牧師館。Saint Paul’s Churchに付属する施設。

The Dutch House
もともとは1893 World’s Fair in Chicago (シカゴ万国博覧会)でオランダの展示館として建てられ、”Dutch Cocoa House”と呼ばれた。Dutch High Renaissance styling。オランダにあるFraneker City Hallをまねた設計。博覧会終了後、BrooklineのCharles Brooks Appletonという人物が買い取り移築。建物の面する通りはNetherland Rdと名付けられた。現在はマルチユニットの住居として使用されている。

Linden Square
1844年にできた広場。このエリアは長い間Davis家が所有していたが、実業家・ボストン市長であったThomas Aspinwall Davisが住宅開発を行い、Alexander Wadsworthにより景観がデザインされた。周辺のLinden StやLinden Plには19世紀の家が多く残る。

Saint Mary of the Assumption Church, Rectory, School and Convent
1880-96にかけて建てられた教会と付属建築物。教会はGothic Revival styleである。Brookline最初のカトリック教会。アイルランド系移民の増加に伴い建てられた。



Linden Park
1843年にできた公園。Linden Squareと同様、実業家Thomas Aspinwall Davisの所有地を開発する際につくられたもの。

House at 38–40 Webster Place
1855-6頃に建てられたGreek Revival-Italianate stylingの家。現在はBrookline Community Foundationが入居している。

Building at 30–34 Station Street
1893年に完成したColonial RevivalおよびGeorgian Revival styleの4階建てビルで、Bradlee, Winslow & Wetherellの設計。1階は商業用で2階以上が住居用となっている。1974年からは1階にPuppet Showplaceが入居している。

Pill Hill
1844年にBrooklineに加わったエリア。Broolline Villageの南側に接する。

Hotel Adelaide
1875年に建てられたアパートメントで、duplex-style (1世帯で2つのフロアを占有する)の初期の例。不動産業者Eben Wrightが所有していた。

Hotel Kempsford
1875年に建てられたVictorian Gothic styleのアパートメントで、Hotel Adelaideと同様、duplex-style (1世帯で2つのフロアを占有する)であり、Eben Wrightが所有していた。

Pill Hill Historic District
19世紀半ば、アッパーミドルクラスのために開発された住宅街で、医者が多く住んだことで知られる。ボストンの著名な建築家がさまざまな家を設計した。


Town Stable
1874年に建てられたGothic Revival stylingのビルで、公共事業や消防に使われる20頭の馬をつないでおくことができた。1898年にPeabody & Stearnsの設計により拡張、馬車の留置や整備が行われるようになった。

Emerson Garden
Brookline Villageの西側、Emerson Gardenに近いエリア。

White Place Historic District
1835-1905年に建てられた36軒の家からなる。


Coolidge Corner
Brookline Villageの北側、Green Line CのCoolidge Corner駅を中心とするエリア。もともとストリートカー(路面電車)路線に沿って発展してきた地域である。また、ユダヤ人が多く住むことでも知られる。
St. Mark’s Methodist Church
1892年に建てられたRomanesque styleの教会。Nova Scotiaの砂岩、Indianaの石灰岩などが使用されている。

1767 Milestones
1767年のマサチューセッツ植民地の指示により、Upper Boston Post RoadのボストンからSpringfieldまで里程標がたてられ、現在129のマイルストーンが残存している。Coolidge CornerのUnited Parish in Brooklineの敷地に1つ残っている。

Second Unitarian Church
1916年に建てられたColonial RevivalおよびGeorgian Revival styleの教会。Edwin J. Lewis Jr.の設計。1944年にReform Jewish Temple Sinaiが買い取っている。

Arcade Building
1926年に建てられた商業ビル。内部は多数のアーケードで区切られ、それぞれに店が入っている。

Edward Devotion House
1745年頃に建てられた家で、Brooklineでは数少ない18世紀の建物。周囲をFlorida Ruffin Ridley Schoolに囲まれている。現在はBrookline Historical Societyにより博物館として使用されている。

John Fitzgerald Kennedy National Historic Site
John F. Kennedyの生家。1909年の建築で、1914年にJoseph Patrick Kennedy Sr.が購入、John、Rosemary、Kathleenが2階の寝室で生まれた。1920年、一家はより大きな家に引っ越している。

Graffam Development Historic District
Peter Graffamによって購入された土地に開発された住宅地で、1894-1907年に建てられた家が多く残る。

Houses at 76–96 Harvard Avenue
1903年に建てられた、Brooklineでは初期の長屋式の住居。Colonial Revival style。

North Brookline
Brook Line Villageの北側に広がる地域。

Richmond Court
1898年に建てられたアパートメントで、イングランドの荘園邸宅に似ている。Ralph Adams Cram の設計。

Saint Aidan’s Church and Rectory
1911年に建てられたBrooklineで3番目に古いカトリック教会。Medieval (Tudor) Revival style。Kennedy家が通っていたことで有名で、John F. KennedyとRobert F. Kennedyがここで洗礼を受けている。


Fire Station No. 7
1898年に建てられたDutchおよびRenaissance Revival styleの消防署。

Peter Fuller Building
1927年にAlbert Kahnの設計により建てられたビルで、キャデラック社が使用していた。ビルの名前はキャデラック・ボストンの社長Peter D. Fullerからとられている。現在はBoston Universityが所有。

Beaconsfield
Green Line DのBeaconsfield駅を中心とするエリア。
Beaconsfield Terraces Historic District
1889-92年に建てられたコンドミニアムが多く残る。Fehmer & Pageの設計により、Eugene Knappという人物の主導で建設された。彼はイギリスで同様のコンドミニアムが成功しているのを見て、このプロジェクトを開始したのである。




Cleveland Circle
Green Line Cの終点、Cleveland Circle駅を中心とするエリア。隣町Newtonに接している。
Strathmore Road Historic District
1904-8年にかけて建てられた6軒のレンガ造りのアパートメント群。このエリアはストリートカーが開通した1880年代から開発が始まり、Charles NewhallとGeorge Johnstonが事業を手掛けた。



Cottage Farm
North Brooklineの東側にあり、Cottage Farm Historic Districtを中心とするエリア。
Cottage Farm Historic District
17世紀にはCharles RiverとMuddy Riverに挟まれた草地であったが、1820年に事業家David Searsが買い取り息子のFrederickのために家を建てている。1850年に実業家Adams Lawrence(慈善家、黒人奴隷反対主義者でもあった)が買い取り住宅開発が始まった。1850-1910年代の家が多く残る。



Fisher Hill
Brooklineの西側に位置し、南でBrookline Reservoir、西でChestnut Hillに接する。

Fisher Hill Historic District
1880年代に住宅開発が始まり、富裕層向けの住宅地となった。景観デザイナーのFrederick Law OlmstedとJohn Charles Olmstedが景観の設計に関与した。


Fisher Hill Reservoir and Gatehouse
1886-7年にかけてつくられた貯水池。1978年に使用中止、池は埋められ公園となっている。GatehouseはRichardsonian Romanesque style, Arthur Vinalによる設計で、彼はNewtonのChestnut Hillのポンプ施設も設計している。


Woodland-Heath
18世紀にはHeath家を大地主とする農場だったが、19世紀にCabot家が地主となり、高級住宅地・荘園となった。Heath St沿いに歴史的建造物が多く残る。

Roughwood
1891年に建てられたShingle-styleの屋敷で、靴・履物のディーラーWilliam Coxの夏の避暑地であった。現在はMessina Collegeの施設となっている。

Chestnut Hill
Chestnut HillはBoston, Newton, Brooklineにまたがる地域の総称で、02467のZIP codeを持つ。Newtonに属する部分についてはNewtonを歩くを参照。

Holyhood Cemetery
CambrodgeのMount Auburn Cemeteryのように墓地の郊外化の動きに従って、1857年に設立。墓地の教会はPatrick Keelyの設計により、Gothic Revival styleで1859-62年に建てられている。ケネディ家の人々や著名人が葬られている。


Reservoir Park
1848年にできたBrookline Reservoirを中心とする公園。かつてはボストンの貯水池としての役割を果たしていた。


Brookline Hills
Greenline Dの同名の駅の周辺エリア。Brookline Villageの西隣。
Ritchie Building
1883年、発明家・物理学者のEdward Samuel Ritchieにより建てられたPanel Brick styleのビル。彼は1850年代に航海用の計器を製造する会社を創業、海軍などに製品を納入していたが、その工場としてこのビルを建てている。1950年代まで工場として操業していたが、現在はオフィススペースとなっている。

Green Hill
Brookline Hillsの南側に広がるエリア。
Frederick Law Olmsted National Historic Site
もともとは1810年に建てられたClark homesteadを1883年に景観デザイナーFrederick Law Olmstedが買い取り、自分のオフィスとしたもの。彼と息子John Charlesはリノベーションを行い、その後1936年までOlmsted家が所有していた。

Brookline Town Green Historic District
町の創設時から19世紀初頭まで、実はこのエリアが町の中心地であった。最初の集会所と墓地がこのエリアに設立されている。
First Parish in Brooklineは1717年に組織され、現在の教会は1893年に建てられた4代目のものである。Shepley, Rutan and Coolidgeの設計によるRichardsonian Romanesque styleである。

Old Burying Ground in BrooklineはWalnut Street Cemeteryという名でも知られる。1717年に設立されたBrookline最初の墓地。地元の農民・大工のSamuel Clark Jr.から土地を買い取ったもの。その後もClark家により非公式に管理されていた。1875年まで町の唯一の公共墓地であった。

1775年に戦ったMinuteman、そして黒人奴隷が石垣の中に埋葬されている。

黒人奴隷とMinutemanが同じ場所に埋葬されているのは、民主的な意味ではなく、スペースの都合だったようである。