「更進線再訪」

中央バス・更進線は2021年9月末に廃止された路線である。私は直前まで廃止を知らなかったので、全線を歩くことはかなわず、同年9月26日に「内大分岐点」から「納内」までを歩くにとどまった。この際には中央バス・深旭線に乗り「神居古潭神社前」で下車し、国道12号線を内園まで進み、ついで納内まで歩いてJRで帰った(下図の赤線の部分を歩いた)。ちなみに旧更進線は深川市のデマンドバス「納内経由菊丘線」となっている。

そこへ、2025年9月末をもって深旭線が廃止となることになった。これに伴い、沿岸バス 留萌旭川線のルートが変更され、これまでの音江分岐点経由をやめ、深旭線のルートを一部引き継ぐ形で納内へ、ここから旧更進線のルートを通って内園に出ることになった。

沿岸バスのサイトより。

旭川留萌線はその名の通り、旭川-深川-留萌を結ぶ長大な路線である。これまで、深旭線踏破の際に旭川-神居古潭神社前、更進線を歩いた際に神居古潭神社前-内園、滝深線踏破の際に音江分岐点-深川十字街、もうひとつの「留萌線」を歩くで深川十字街-留萌十字街を歩き、ほぼ全区間を制覇したものの、音江分岐点-内園の約5.6kmの区間だけは歩いていなかった。そこへ今回の廃止・ルート変更のニュースである。音江分岐点-深川については、滝深線が生き残るからまだバスは走るわけだが、件の5.6kmについては、ここを通る路線バスは消滅する。大量の車両の行き交う国道12号線沿いで、しかもところどころ歩道がないことはわかっていたから、内心この区間は放置しておこうとも思っていたが、「二度と行けなくなる」とわかるとやはり行ってみたくなった。そこで音江分岐点の次の停留所「国見峠」から「内園」まで行き、そのまま納内に抜けるコースを歩くことにした。

赤線の区間を歩いた。

2025年8月12日、「深名線」を歩く旅の最終区間を早々に歩き終え、JRバスで深川駅に引き返し、深川十字街12時29分の沿岸バスに乗り換える。予定通り「国見峠」で下車すると、馬頭観世音と地神碑がある。

08/12/2025

このあたりはしばらく歩道のない区間が続く。大型車両も含めて交通量が多く、ドライバーの諸氏にも迷惑をかけてしまった。

08/12/2025

「出会沢」付近でようやく細い歩道が現れる。

08/12/2025

藪のためよく見えないが、実はこのあたりは石狩川に沿ったルートである。

石狩川 (08/12/2025)

「出会沢」の近くには水神がまつられている。

水神 (08/12/2025)

無事に「内園」にたどり着き、国道12号を離れて納内をめざす。更進線を歩いた2021年9月以来、約4年ぶりの再訪となった。かつてのバス停の跡が今でも残っている。

納内橋停留所跡 (08/12/2025)

納内橋は石狩川を渡る橋である。

納内橋から上流を眺める。(08/12/2025)
納内橋から下流を見る。(08/12/2025)
甲線通り停留所跡 (08/12/2025)

上記の沿岸バスの図によると、「納内小学校前」と「内園」の間には停留所は置かないようなので、更進線時代にあった「甲線通り」「納内橋」の両停留所は、今回のルート変更でも復活しないようだ。

やがて納内集落に到着。2021年には石碑などの写真は一切とらなかったが、今回はいろいろ見て回ることができ、What I Found Aroundの「納内」の項目を大幅に書きかえた。

今回の廃止・ルート変更で、旭川留萌線が深川駅前を経由するようになるので、JR函館本線との接続が改善されることが期待される。というのも、JR留萌本線・石狩沼田-留萌の廃止(と翌年に行われた旭川留萌線の減便)により、留萌へのアクセスはかなり悪くなってしまったからだ。他方、JR留萌本線に残る最後の区間・深川-石狩沼田は2026年3月に廃止され、沼田への公共交通は1日5便(土日祝3便)の中央バス・沼田線のみになってしまう。石狩沼田-留萌の廃止直後は、深川から石狩沼田より先、真布、恵比島まで通学バスが運行されていたが、これは現在一便のみになってしまっている。旭川留萌線は沼田町を経由せず、秩父別町から北竜町に入ってしまうが、石狩沼田への乗り入れがありうるかどうか。再編は予断を許さない。

今回のwalkthrough動画。