山中の旧炭都・夕張への出入り口は、大きく4つある。
山越えで万字に抜ける道道、大夕張から頼城へ抜ける国道。
由仁・追分から紅葉山(新夕張)・夕張市街に入るルート、そして栗山から山を越えるルートである。
このうち前の2つには公共交通はない。
3番目のルートには、紅葉山までJR石勝線、夕張市街まで旧国鉄夕張線(廃止)があり、紅葉山-夕張本町は夕鉄バス・夕張市内線が走っている。
そして4番目。これはもともと野幌-夕張本町を結ぶ夕張鉄道のルートだった。
栗山側の出入り口が「角田」、夕張側の出入り口が「若菜」である。
現在は札幌-夕張間の都市間バスのほか、夕張線、夕鉄バス・新札夕線が通っている。
夕鉄バス・富野線の始発である富野も、このルートに含まれている。
岩見沢夕張線は1日1往復のみ。マウントレースイ前が発着点。
新札夕線は1日3往復。JR新夕張駅が発着点。
栗山町の「中央1丁目」から「夕張テニスコート」までが両者の重複区間。
このうち「角田本通」-「夕張テニスコート」の間で、夕鉄バスの停留所は22、中央バスは6。
ちなみに夕鉄本社バスターミナルは「夕張テニスコート」のすぐそばにある。夕張鉄道と関係の深いルートという感じがする。
旧夕張鉄道の跡地はサイクリングロードとして整備された。
しかし、整備されずに放置が続いた結果、ほとんど廃道と化してしまっている。
「続・北海道鉄道跡を紀行する」(1999)では、著者らがここを歩いており、当時はまだ整備されていた様子がわかる。
このルート自体はバイクパスとしては人気らしく、道道をサイクリングしている人は何人もいたのに、藪の中に姿を消していくサイクリングロードを走っている人は、ついに見かけることはなかった。