「黒松内・長万部線を歩く 第1回」で寿都-黒松内間を歩いたので、ここからはJR函館本線(山線)に沿っての旅となる。乗り継ぎの難しいニセコバス・雷電線から離れることができるのはうれしい。私が1990年代に倶知安に住んでいた頃は、車を運転して小樽・札幌へ行くことが多かったが、JRもしばしば利用していた。だから山線での旅は楽勝と思っていたが、これが意外に大変だということを思い知ることになる。
一つは、当時とは異なり、現在では小樽・ニセコ近辺を中心に旅行客があふれており、JRがひどく混雑していること。二つ目には、倶知安から先が意外に長かったということである。ニセコバス・福井線を歩いた際に蘭越まで乗車したが(「倶知安から蘭越へ」)、このときすでに「意外に遠いな」とは感じていた。蘭越へは車で行ったことしかなかった(高校生時に山線区間は乗車しているが)から、倶知安からはすぐ隣町という感覚だったのである。その先の黒松内・長万部と小樽の間となると、列車では3時間もかかるのである。混雑した列車で往復6時間というのは、空いているローカルバスに数時間乗るより疲れるということを実感した。
三つ目には、冬場は気象に特別の注意が必要ということである。代替交通機関がないので、JRがストップしてしまうと身動きがとれなくなる。しかも千歳線などとは異なり閑散路線なので、JRも頑張って動かそうというモチベーションに乏しいということは重々わかっている。とはいえ後志は豪雪地帯であり、降雪のない日など到底期待できない。ここは昔ながらのJRのレジリエンスに期待したいところである。
2026年2月9日、小樽発10:57、倶知安での乗り換えを経て、黒松内と長万部の間にある「二股駅」で下車。かつてこの区間には蕨岱駅もあったが、2017年に廃止されている。今日の予定は、ここから約12km離れた黒松内駅まで歩くことである。この旅では二股駅の存在は重要で、この駅があるおかげで黒松内-長万部間の20kmあまりを一気に歩かずに済むことになっている。ところがこの駅は2026年3月14日に廃止されることになっており、それを知らなかった私がここを利用できたのは幸運だった。駅では数名のマニアの方が到着列車を撮影していた。

二股地区は長万部町。地区の出口で二股川を渡る。


知来地区に入る。JRとつかず離れずで国道5号線を歩き続ける。


「ワラビタイ学校」停留所は旧蕨岱小学校のあった場所に近い。長万部のサイトによると、1904年開校。全校生徒60名を越えた時代もあったが、1986年には生徒数0となり翌1987年に入学者があり存続した。最終年2000年の生徒は2人で、翌2001年に96年の歴史を閉じた。

「ワラビタイ」停留所の付近には人家は見られない。旧蕨岱駅跡と蕨岱稲荷神社がある。

蕨岱駅は1904年に開業、2017年に廃止された。アイヌ語の「ワルンピ・フル」(ワラビの丘)からとったもので、昔この付近一帯にワラビが繁茂していたといわれる。


蕨岱から先で国道5号線から外れ、道道9号に入る。少し進めば黒松内町の領域である。



黒松内市街に入ると、大鳥神社に出会う。北海道神社庁によると「今から凡そ147年ほど前に」創祀されたのがはじまりという。

無事に黒松内駅に着き、17:00発の小樽行に乗車する。

動画。
JR乗車動画。
