Medfordを歩く

ボストンの北側にある人口60,000人の市。世帯収入は中央値で$52,000くらい。かつてはMiddlesex Canalの主要な通過点として栄えたが、現在の交通手段としてはBus94(Medford-Davis駅)、95(Arlington Center-Sullivan Square駅)、96(Medford-Harvard駅)、134(Wellington-North Woburn)などが通り、West Medford地区にはコミューターレールのLowell Lineの駅がある。NRHPはWikipediaのリストに載っている。

Bigelow Block

1886年にBigelow家のために建てられた。Medford Squareにくると、最初に目につく建物である。

Corner of Forest and Salem Sts (10/08/2022)

Old Medford High School

1894-6年の建築。1914年に増築、さらに1929年に北ウイング、1939年に南ウイングを加えている。1984年に市は建物を売却、現在はコンドミニアムと劇場となっている。

22-24 Forest St (10/08/2022)

United States Post Office–Medford Main

1937年、ニューディール政策によりPublic Works Administrationの資金を得て建設された。街の中心部にある。

20 Forest St (10/08/2022)

Lawrence Light Guard Armory

1891年、Shepley, Rutan and Coolidge社の設計により建てられた、ロマネスク復興様式の建物。軍需工場として用いられた。

90 High St (10/08/2022)
90 High St (10/08/2022) – 城のような外観である。

Grace Episcopal Church

Henry Hobson Richardsonが設計し、ステンドグラスはJohn La Fargeが担当した。1867年に建設が始まったが、1868年8月には予算不足となり、Brooks家の援助で完成している。

160 High St (10/08/2022)

Isaac Hall House

1720年頃、Andrew Hallにより建てられた、Medford Squareに現存する最古の建物である。1780年頃、息子Isaacにより、連邦様式へと改築された。彼はMedfordのMinutemen部隊の隊長であり、1775年4月18-19日にかけて、Lexington-Concordの戦いの直前、Paul Revereが立ち寄ったことで知られている。

43 High St (10/08/2022)

Paul Curtis House

‘Grandfather’s House’の名でも知られる、19世紀初期のギリシア復興様式の家。ここはLydia Maria Childの詩・’Over the River and Through the Wood‘に登場する「祖父の家」とされている。1839年、オーナーであるMedfordの船大工・Paul Curtis(1800-1873)は家を拡張。その後Tufts大学から個人へと所有者は変わっている。(なお、この記事はたまたま11/24/2022に作成した。)

114 South St (10/08/2022)
114 South St (10/08/2022) – ‘Grandfather’s House’の記念プレートがある。

Unitarian Universalist Church of Medford

1893-4年に建てられたUnitarian Universalistの教会。後期ゴシック復興様式。ボストンの建築家J. Merrill Brownが設計し、宗教建築で有名だったDodge Brothersにより建設された。

147 High St (10/08/2022)

Hillside Avenue Historic District

19世紀の住宅街で、多くの家が1890年代に建てらてたアン女王-ビクトリア朝様式。1875-95年に建てられたコロニアル復興様式、チューダー朝様式、シングル様式の家もみられる。

Hillside Ave (10/08/2022)
Hillside Ave (10/08/2022)

Shepherd Brooks Estate

Medfordで有力なBrooks家の一員であったShepherd Brooksにより、1880年代につくられた夏の別荘・農場。敷地は33ヘクタール。家屋はPeabody and Stearnsにより設計され、レンガ造りのアン女王時代様式の大きな建物である。彼の妻Claraが1939年に死んだあと、ここは市が取得した。第二次世界大戦後には復員軍人の住まいとなり、1960-70年代は介護施設、1980年代にはグループホームとなっていた。1998年に永久保存することとなり、現在は公園として日中のみ敷地内に入ることができる。

275 Grove St (10/09/2022) – 建物へ向かう道
275 Grove St (10/09/2022) – High Stから歩くにはやや遠い。

Charles Brooks House

1765年頃の建築。Charles Brooks (1795-1872)は、州の教育システムの発展に力を尽くした人物。

309 High St (10/09/2022)

Jonathan Brooks House

1780年代に建てられたと考えられている。18世紀のギャンブレル屋根を持つ家の貴重な例とされる。所有者のJonathan Brooksは、皮革業者でWest Medfordに広大な土地を有していたBrooks家の一員であった。

2 Woburn St (10/09/2022)

Peter Tufts House

米国最古のレンガ造りの家の一つ。Peter Tuftsにより1677-8年頃建てられたと考えられている。レンガはイングランドのChelseaから運搬してきたという。その後数回諸州者が変わっており、現在はMedford Historical Societyの所有管理となっている。

350 Riverside Ave (10/10/2022) – 町の中心街からはやや離れている。

Old Ship Street Historic District

1803年にThatcher Magounにより造船所がつくられたエリア。造船所は1870年代まで存続したが、付近は次第に住宅化が進んだ。1803-55年頃に建てられたフェデラル様式やギリシア復興様式の家が残っている。

Pleasant St (10/10/2022)

Richard Pinkham House

Richard Pinkhamにより1850年頃に建てられたイタリア風の家。

24 Brooks Park (10/10/2022)

Park Street Railroad Station

Boston and Maine RailroadのMedford支線の駅跡。支線は1847-1957年(貨物は2010年)にわたり鉄道輸送を行っていたが、この駅は早々に管理が放棄されていた。現在は成人のデイケアセンターとなっており、付近に線路や信号機などの遺構はみられない。

20 Magoun Ave (10/10/2022)

Isaac Royall House

1692年頃に建てられ、1732年、Antigua島の奴隷商人・ラム酒業者であったIsaac Royall Sr.が周囲の広大な土地とともに購入。家を改築し、奴隷宿舎を建ててAntigua島から連れてきた奴隷を住まわせた。Isaac Royall Jr.が跡を継ぎ、母屋・奴隷宿舎ともに大いに手を入れた。40年以上にわたり、最大60人以上の奴隷を収容していたという。

アメリカ独立戦争においては彼はイギリス側(Loyalist)であり、Lexington-Concordの戦いに際して、地所・奴隷を放棄して逃亡、カナダを経てイングランドに移り、二度とMedfordに戻ることはなかった。

15 George St (10/10/2022) – 母屋
15 George St (10/10/2022) – 奴隷宿舎