ボストンの西、Lexingtonの南に位置する人口65,000人の市。19世紀はBoston Manufacturing Companyの成功で栄える。Brandeis大学、Bentley大学があることでも知られる。世帯収入の中央値は$113,443 (2022)。交通機関としてはコミューターレールのFitchburg LineのWaltham駅、Brandeis/Roberts駅があるほか、Bus70(Waltham-Cambridge)、553(Roberts-Newton Corner)、554(Waverley駅-Newton Corner)、556(Waltham Highlands-Newton Corner)、558(Riverside-Newton Corner)がある。554、556、558は土日祝運休。NRHPはWikipediaのリストに載っている。
Central Square Historic District
Waltham駅の北側、Waltham Commonを中心とする一帯。19世紀末-20世紀初頭の公共建築が残る。
Piety Corner Historic District
Walthamで最も古い居住区のひとつ。17世紀後半からイングランド人の植民が始まったが、現在残っている家は19-20世紀初頭に建てられたものである。
Robert Treat Paine Estate
別名Stonehurstと呼ばれるカントリーハウス。1866年、ボストンの弁護士・慈善家Robert Treat Paineと妻Lydia Lymanは、建築家Gridley J. F. Bryantに依頼して夏の別荘を建てた。費用はLidiaの父で、近くにあるThe Valeの所有者George Lymanが支払った。しかし別荘は夫婦とその7人の子供たちには手狭だったため、1883-6年にかけてHenry Hobson RichardsonとFrederick Law Olmstedにより再設計・再築された。Paine家は1960年代までここを所有していたが、現在は市のものとなり人々に開放されている。
Boston Manufacturing Company
Waltham駅のすぐそばにあり、ランドマークともいえる建物。Boston Manufacturing Companyは、1812年にFrancis Cabot Lowellが創業した綿織物製造会社である。Waltham-Lowell systemと呼ばれる労働・工程管理を編み出したことでも知られる。現在は博物館などに使用されている。
Metropolitan State Hospital
1930年に開設された公立の精神科病院。Waltham、Lexington、Belmontにまたがる広大な敷地・多くの建物を持っていた。脱施設化の流れにより1992年に閉院、その後しばらく放置されていたが2007年よりリノベーションが始まり、現在はアパートメントや商業施設、オフィスビルなどに改装されている。
Walter E. Fernald State School
西半球では最古の公的資金援助による発達障害を持つ人々のための施設である。敷地は75haにおよぶ。もとは1848年にできた’Experimental School for Teaching and Training Idiotic Children’をルーツとする。
Boston Manufacturing Company Housing
Boston Manufacturing Companyにより建てられた住宅。River Stに2か所に分かれている。
Newton Street Bridge
1877年につくられたCharles Riverにかかるアーチ橋。
Moody Street Fire Station
1890年、Waltham Watch Companyの成功に伴い、市の南側が急速に開発されたために設置された。Queen Anne/Romanesque Revival styling。2019年にリノベーションのため閉鎖、1000万ドルをかけて再建された。
Beth Eden Baptist Church
1891年に建てられたRomanesque Revival styleの教会。New HampshireのWilliam M. Butterfieldによる設計。
Stark Building
1891年、時計製造道具の製造業者John Stark Jrにより建てられたQueen Anne styleの商業施設。彼はスコットランド移民の父が創業した事業を引き継いで拡大した。
St. Charles Borromeo Church
1922年に建てられたItalian Renaissance Revival styleのカトリック教会。
Harrington Block
1884-5年に地元の不動産投資家・Charles Harringtonにより建てられたQueen Anne styleの商業施設。
American Watch Tool Company
American Watch Tool Companyは、1877年にWaltham Watch Companyからスピンオフした会社で、時計製造設備をつくっていた。この建物は1877-1916年にかけて建てられ、1904年までは同社が使用し、のちには自動車工業に使われた。
Waltham Gas and Electric Company Generating Plant
1900-9年頃に建てられたパワープラント。もとは蒸気機関を運用していたが、のちにガスと電気のプラントとなり、1917年に変電所に改造されている。
Moody Street Historic District
Moody Stは駅の東側を通りNewton方向へ南下する道で、Charles Riverを渡りPine St、Crescent Stに出会うあたりが歴史地区になっている。
Mount Feake Cemetery
1852年、Grove Hill Cemeteryより後にできた墓地。Mt Feakeというのは1632年、植民地知事John Winthropにより、のちに義理の甥、Watertownの設立者の一人でもあるRobert Feakeにちなんで名づけられた。墓地の設計で有名なRobert Morris Copelandのデザイン。敷地は広大でFitchburg line(コミューターレール)に沿っており、このエリアでは線路を越えての移動ができない。
Company F State Armory
1908年にできたGeorgian Revival styleの武器庫。Rufus Lordにより建てられた。
Waltham Water Works Shop
1894年に建てられた市営の工房。作業場やオフィスが入っていたが、1980年代には犬の保護施設となった。
The Vale
Lyman StとBeaver Stに沿って広がるLyman Estateとも呼ばれるカントリーハウス。1793年にボストンの商人Theodore Lymanが160haの土地を入手し、以後Lyman一家の夏の別荘として150年以上使われた。屋敷はSamuel McIntireの設計によるFederal style、1800年以前に建てられたgreenhouse (温室)は米国最古のものとされる。1960年代、繊維産業の衰退により資産を失ったLyman家はBentley Universityに売却した。現在は公園として誰でも入ることができる。映画の撮影場所としても利用されることがある。
Jonathan Hammond House
1785年に建てられたGeorgian/Federal stylingの家。現在はBentley Universityのオフィスとなっている。
Ephraim Hammond House
1775年に建てられたGeorgian styleの家。のちにCornelia Warrenの所有するCeder Hillの一部となった。20世紀初めにガールスカウトの週評議会に寄付され、現在に至っている。
Perez Smith House
1851年に建てられたGreek Revival/Italianate styleの家。
Nathan Sanderson I House
1783年頃におそらくNathan Sanderson Iにより建てられたFederal styleの家。1707年頃にできた彼の叔父の家の跡に建設された。Sanderson家はこの地域の初期の移民。
Nathan Sanderson II House
この家の最古の部分は1698年にさかのぼるとされる。1816年頃にNathan Sanderson Iの息子Nathan Sanderson IIにより、父の家の隣である現在地に移された。その際に家はかなり改造され、Greek Revivalの要素が加えられた。
First Congregational Church
RomanesqueとGeorgian Revival様式を併せ持つ教会で、1870年に建てられた。
Francis Buttrick Library
1915年に建てられたGeorgian Revival styleの図書館で、資金は大地主Francis Buttrickの遺贈により賄われた。
Christ Episcopal Church
1849年に建てられたPeabody and Stearnsの設計によるAmerican Shingle styleの教会。自然石を積み上げたような尖塔が特徴。
United States Post Office-Waltham Main
1935年、大不況時代にWorks Progress Administration(雇用促進局、ニューディール政策の一環だっ)のプロジェクトで建てられたもの。Classical Revival style。
Prospect House
「The Prospect Houseはtavern(歴史的に存在した宿屋兼飲み屋のようなもの)およびホテルとして、1839年にMain Stに建てられた。この通りにあった多くのtavernの一つであった。このような宿はOld Conneticut pathを移動する旅行者には便利な場所であった。The Prospect HouseはMain Stにあったtavernの中で唯一現存するもので、精巧なGreek Rivivalの建築様式も注目される。もとはProspect Stに面していたが、1909年に現在のように向きと位置をずらして、アパートメントとして生まれ変わった。」
歴史的には、Bostonより西に向かいWorcesterなどを経てConneticut川に至り、そこから川沿いを下ってHartfordに向かうルートが早くから開発された。鉄道路線もこのルートに従ってまず敷設され、現在の海岸沿いに下るルートが主となったのは19世紀も後半になってからである。
United States Watch Company
United States Watch Companyは、American Waltham Watch Companyから独立した会社。この建物は1886年に建てられ1901年に拡張されている。他社に買収されながらも1989年まで時計製造業に使用されていた。
Linden Street Bridge
1894年、Central Massachusetts Railroadの橋としてつくられた。この鉄道はNorth Cambridgeと西方のNorthamptonを結ぶものであったが、並行するFitchburg線(現在はMBTAのコミューター路線)に押されて廃止となっている。
Eastern Middlesex County Second District Court
1938-40年にできたArt Deco styleの裁判所。Cambridge出身のR Grecoの設計。
Grove Hill Cemetery
1703年にできた墓地。著名人としてはNathaniel P BanksやCharles Giddingが埋葬されている。
Gore Place
1806年にできたカントリーハウス。法律家・政治家のChristopher Goreによりつくられ、Lafayette、Daniel Webster、James Monroeらが訪れている。現在は公園として開放されている。
Wilson’s Diner
1949年、Worcester Lunch Car Companyによりつくられ、この地に運ばれたダイナー。SomervilleのRosebudと同じ会社によるダイナーである。
Hager-Mead House
1795年、Watertownから移ってきた農夫のSamuel Hagerにより建てられ、1796年に鍛冶屋のStephen Meadに売却された。
St. Mary’s Roman Catholic Church Complex
教会は1858年に建てられたRomanesque Revival styleのもの。他に1872年のSecond Empire styleの牧師館などを敷地内に含む。
First Parish Church
1933年に建てられたClassical Revival styleの教会。教団の歴史は1695年頃にまでさかのぼり、この建物は1838年に建てられたものが火事で失われたため新築したもの。
Waltham High School
1902年に建てられたRomanesque/Classical Revival styleの高校。1920年代に拡張されたが、1969年に高校は移転。その後、放置期間、改修を経て、現在は中学校として使われている。
The Oxford
1897年に建てられた3階建のColonial Revivalのアパートメント。
Royal E. Robbins School
1901年に建てられたGeorgian Revival styleの学校。Waltham Watch Companyの創設に力を発揮したRoyal E. Robbinsにちなんで名づけられた。現在はコミュニティセンターになっている。
American Waltham Watch Company
19世紀において米国の時計製造業をリードしたWaltham Watch Companyの工場施設群。1854年に最初の施設が建設され、増改築を繰り返しながら1962年まで操業を続得た。現在は住居、商業、工場など様々に利用されている。